LAVALAN Shirts Jacket/LAVALAN Reversible Vest

ラバランは持続可能なものづくりに対する有効な素材

23区HOMMEがウールの不織布であるラバランと出会ったのは、毎年ドイツ・ミュンヘンで開催されている世界最大級のアウトドアスポーツ見本市、ISPO(イスポ)でした。なぜISPOに注目したのか、23区HOMMEのデザイナーである小林圭介が次のように話してくれました。「スポーツカジュアルと通勤着という2つの要素を両立させながら、23区オムとしてのブランドらしさをうまく表現できたらということでミュンヘンに行きました。今のスポーツウェアの流れを、どのように23区HOMMEに活かすことができるのか。ISPOで感じたのは、世界的なトレンドとしてサスティナビリティ(持続可能性)なものづくりが注目され、天然素材へ回帰する流れがあったこと。今、スポーツメーカーが着目しているのは天然素材の中綿なのだと思いました」

180921_23kuHomme_18436_final.jpg

そして、ラバランは今年から日本での取扱いを本格的に開始し、23区HOMMEで2018AWから使うことが決まりました。ラバランの特徴は、基本的にはウールと同じ。耐久性があり汚れにくく、撥水性や通気性、吸排湿性、温度調整機能に優れています。意外と知られていないのは、空気を浄化して臭いの細菌の活動を抑える力があること。つまりは防臭性にも優れているということ。そして、ラバランは洗うこともできます。

180921_23kuHomme_18594_final.jpg

実はラバランのようなウールの不織布は他の会社からも出ていて、今年のISPOでは合成繊維とウールをブレンドした中綿も数多く見られたようです。さて、ラバランのような素材はこれからの服づくりにどのような影響を与えていくのでしょうか。小林によると「デザインに対する影響というよりも、合成繊維をなるべく使わないという持続可能なものづくりを推進していく流れに拍車をかけるのではないでしょうか。今、ヨーロッパを中心にエコロジーやトレーサビリティ(追跡可能性)など、地球環境や人々の安全性を大事にする考え方が急速に浸透しています。石油を原料とする合成繊維は、大切に使わなければいけないといった考え方がより明確になっていくでしょう」とのこと。

180921_23kuHomme_18506_final.jpg

最近では人や地球環境に優しいことを意味する、エシカルファッションも注目を集めています。23区HOMMEでは、なるべく天然素材へ回帰することで、地球の環境問題を考慮したものづくりを推し進めていきたいと考えています。

180921_23kuHomme_18475_final.jpg

 

洗練されたデザインを可能にするラバラン

今回、23区HOMMEでラバランを使ったアイテムを2つ紹介します。まずLAVALAN Shirts Jacketはシャツタイプのジャケットで、23区HOMMEらしく軽快にデザインしたもの。シャツのように体に合うようにし、後ろ身頃の着丈をやや長めにして裾はラウンドカットにしています。そして、前立てにはスナップボタンに加えてファスナーを付けて防寒性をアップ。「少し前だとステッチを多数入れて、それがデザインのポイントになっていたこともあったのですが、最近ではステッチをシームにしか使わないなどシンプルにする傾向にあります。なるべく要素を加えないで、むしろ引き算するようにデザインしたのがこのアイテムです」と小林が話します。

180921_23kuHomme_18545_final.jpg 180921_23kuHomme_18603_final.jpg

注目したいのは表地にウールのスーパー100'sを使用していること。一般的にはスーツに使う生地ですが、カジュアルウェアに採用したことで程よい光沢感と洗練された素材感が、大人のスポーツカジュアルを演出します。台衿の高さもきちんと取り、衿がしっかり立つようにディテールにも気を配りました。

180921_23kuHomme_18542_final.jpg

もうひとつのLAVALAN Reversible Vestは、通常はダウンを使うことが多いベストを、ラバランを使うことで膨らみが少ないすっきりとしたデザインに仕立てました。リバーシブルになっていて、表面は少しハリのあるマットなポリエステルを使い、キルトにせずにすっきり見えるようにデザイン。少し男らしさを出すためにヨークにはウエスタン調のデザインを取り入れ、ポケットにファスナーを付けることで洗練されたディテールにしています。

180921_23kuHomme_18572_final.jpg 180921_23kuHomme_18626_final.jpg

裏面は生地に20デニールのマイクロリップを使い、キルトを斜めに配置したデザインに。「裏返したときにまったく違った印象にしたかったので、前立てが表面はドットボタンで、裏面はファスナーに見えるようにしました。生地についても表面のマットと裏面の光沢を対比させ、さらに色を変えるなど、23区HOMMEとしてはかなり攻めたデザインがポイント」と、こだわった点を振り返ります。

 

地球の環境問題の観点から採用に至ったラバランですが、同じ天然素材であるダウンと比べてすっきりとした洗練されたデザインを可能にするのが特徴のひとつ。23区HOMMEが目指すスポーツカジュアルとも相性がよく、機能性に優れた天然素材としてこれからも注目したいと思います。

Blouson / JRNSYW0305 / ¥51,000(税込) ONLINE STORE
Blouson / JRNSYW0304 / ¥46,000(税込) ONLINE STORE

ラバランはドイツで100年以上、4世代にわたって家族経営によって続いている、バウアーフリストッフェ社が開発したウールの不織布のこと。ウールにポリ乳酸(植物から抽出したでんぷんを発酵させてつくる乳酸)を混ぜて、特殊な加工技術によってつくられています。ヨーロッパでは主に高級スポーツウェアの中綿に採用され、通気性や温度調整、臭気抵抗に優れるといった特徴を併せ持っています。現在、カジュアルウェアの中綿はダウンや合成繊維が主流ですが、ラバランはこれらに比べて服の中の温度や湿度を快適な状態でキープすることに優れています。

ARCIVES

RELATED